
はじめに
本業の年収は1,000万円を超えた。でも、それだけでは足りないと思った。
インフレは進む。会社の給料がずっと上がる保証はない。何より、本業だけに依存するキャリアは脆い。
だから副業を始めた。今は本業に加えて、副業でまとまった副収入を得ている。
内訳は2つ。地方自治体のデジタル推進支援と、スポットコンサル(企業からのインタビュー)だ。
どちらも、新しいスキルを身につけたわけじゃない。本業で普通にやっていることを、別の場所で「売った」だけだ。
副業1:地方自治体のデジタル推進支援
どうやって見つけたか
転職サイトで見つけた。
転職活動中にビズリーチを見ていたら、副業・兼業の案件が掲載されていた。その中に地方自治体のデジタル推進支援の案件があった。
縁もゆかりもない自治体だった。行ったこともない。でも「面白そうだな」と思って応募した。
選考はどうだったか
驚くほど速かった。
書類選考を通過し、一次面接は10分程度。「このツール使えますか?」「こういう経験ありますか?」とスキルの確認だけ。火曜日に面接して、木曜日には合格の連絡が来た。
最終面接の前に「その土地のことを何も知らないのはまずい」と思い、急いで飛行機を取って妻と二人で週末に訪問した。空気を吸いに行った。
最終面接も通り、副業が始まった。
具体的に何をしているか
週1回程度の関わりだ。オンライン会議が中心で、月に1〜2回は現地を訪問することもある。
やっていることは、本業で普通にやっているデジタルマーケティングの知識を、行政の文脈に置き換えて伝えること。「民間では当たり前」のことが、行政では新鮮な知見になる。
たとえば、「Webサイトのアクセス解析を見て、ユーザーがどこで離脱しているか確認しましょう」——これだけで「すごい」と言われる。民間企業では初歩中の初歩だが、行政にはその知見を持つ人がいない。
報酬
1回あたりの単価制で、短い会議でも丸一日でも同じ金額。月に数回関わるだけで、年間でまとまった副収入になる。
なぜ地方自治体を選んだか
正直に言うと、「選んだ」というより「見つけた」に近い。たまたまビズリーチに出ていた案件に応募しただけだ。
でも結果的に、行政の仕事には大きなメリットがあった。
メリット1:本業と利益相反しない。 民間企業の副業だと、本業との利益相反が問題になることがある。行政ならその心配がない。
メリット2:視野が広がる。 民間とはまったく違うロジックで動く世界を知ることで、本業にも良い影響がある。
メリット3:社会貢献になる。 きれいごとに聞こえるかもしれないが、地方のデジタル化に自分のスキルが役立つのは純粋にやりがいがある。
副業2:スポットコンサル
スポットコンサルとは
企業が特定のテーマについて「詳しい人に1時間話を聞きたい」という時に、マッチングしてくれるサービスだ。ビザスクやミーミルが代表的。
登録すると、自分のプロフィールを見た企業から「このテーマについて話を聞かせてください」とリクエストが来る。1回1時間程度のインタビューに応じるだけ。
どんなテーマで依頼が来るか
僕の場合は主に2つ。
1. 生成AI関連: 「企業で生成AIをどう活用しているか」「生成AI導入のプロジェクトマネジメント」など。大手企業でAI活用を推進した経験があるので、その知見を求められる。
2. 小売業・DX関連: 「大手小売業のDX推進の実態」「メタバースやデジタルマーケティングの事例」など。大手小売グループでのDX経験がそのまま価値になっている。
報酬
1回のインタビューで数万円。月に数回受けるだけで、年間でまとまった金額になる。
なぜスポットコンサルが成り立つのか
「自分の経験に、なぜ企業がお金を払うのか?」と最初は不思議だった。
答えはシンプルだ。企業にとって、経験者の1時間の話は、自分たちで調査する数週間分の価値がある。
たとえば、ある企業が「メタバースを使ったマーケティング施策をやりたい」と考えている時、ゼロから調査するより、実際にやった人に1時間聞く方がはるかに早い。その1時間に2〜3万円は、企業にとっては安い投資だ。
つまり、あなたが本業で「普通に」やっていることは、それを経験したことがない人にとっては極めて貴重な情報なのだ。
副業を始めるための3ステップ
ステップ1:転職サイトの「副業」タブを見る
ビズリーチには副業・兼業の案件が掲載されている。転職する気がなくても、登録して副業案件を眺めるだけで「自分のスキルがどこで求められているか」がわかる。
他にも、複業マッチングサービスは増えている。「自分の経験×副業」で検索してみるといい。
ステップ2:スポットコンサルに登録する
ビザスクやミーミルに登録するだけ。無料だし、5分で終わる。
プロフィールには、本業での経験を具体的に書く。「大手企業でデジタルマーケティングを5年担当」「DX推進プロジェクトのPMを経験」など。数字を入れると依頼が来やすくなる。
登録したら、最初の1件が来るまで待つだけ。最初の1件さえ来れば、そこから加速する。実績ができると、プラットフォーム上での評価が上がり、依頼が増える好循環が始まる。
ステップ3:本業の会社の副業規定を確認する
これは絶対にやること。副業が禁止されている会社もある。OKでも届出が必要な場合もある。
僕の場合、現職は副業OKの会社だったので問題なかった。副業を始めたいなら、そもそも副業OKの会社に転職することも選択肢の一つだ。
副業で気づいたこと
「普通のスキル」の価値に気づく
本業では「当たり前」にやっていることが、別の場所では「専門知識」になる。
Googleアナリティクスでアクセス解析する。広告のABテストを回す。データを見て改善策を立てる。——民間企業では誰でもやっている。でも行政では「すごい専門スキル」として扱われる。
自分のスキルの価値は、環境によって変わる。 これは転職の話とまったく同じだ。
本業が安定するから、副業で挑戦できる
僕のキャリア戦略は「本業で安定、副業で挑戦」だ。
本業で年収1,000万円超の安定した収入がある。だからこそ、副業では「面白そう」で選べる。報酬が多少低くても、興味のあるプロジェクトを選べる。
逆に、本業が不安定な状態で副業をしても、どちらも中途半端になる。まず本業を安定させてから、副業に手を伸ばすのが正しい順番だと思っている。
副業は「保険」でもある
会社はいつ方針が変わるかわからない。僕は大手小売グループでDX本部の予算が9割減になり、退職を余儀なくされた経験がある。
副業で複数の収入源を持っていれば、本業に何かあった時のリスクヘッジになる。完全な安定は、一つの会社に依存している限り存在しない。収入源を分散させること自体が、最強の安定戦略だ。
まとめ
副業でまとまった副収入を得ているのは、特別なことをした結果じゃない。
本業で普通にやっていることを、別の場所で売っただけ。
地方自治体の支援も、スポットコンサルも、新しいスキルは何一つ必要なかった。必要だったのは「自分の経験にも値段がつく」と気づくことだけだ。
まずはビザスクかビズリーチに登録してみてほしい。自分の経験が、どこかの誰かにとって価値のある情報だとわかる。
あなたが「普通」だと思っている経験は、誰かにとっての「宝物」だ。
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