はじめに——転職エージェントは「どこを使うか」より「どう使うか」
転職を4回経験して、年収は410万から1,200万になった。
その過程で使った転職エージェント・サービスは8社。 doda、リクルートエージェント、JACリクルートメント、ギークリー、パソナ、コトラ、ビズリーチ(キャリアトレック)、キャリアカーバー。
全部使って分かったことがある。
「どのエージェントを使うか」より、「何を持ってエージェントに行くか」の方が100倍大事だ。
これは最後に詳しく書くが、まずは各サービスのリアルな体験談を読んでほしい。 きれいごとは書かない。良かったことも、引いたことも、全部書く。
結論:僕の評価ランキング
先に結論を出す。
| 順位 | サービス | 評価 | 一言 |
|---|---|---|---|
| 1 | doda | ◎◎ | 2回使って2回決まった。粘り強さが別格 |
| 2 | JACリクルートメント | ◎ | 企業の内側まで知り尽くしている |
| 3 | ビズリーチ | ○ | スカウト型。副業も見つかった |
| 4 | パソナ | △〜○ | 求人は良いが、書類で落ちまくる |
| 5 | キャリアカーバー | △〜○ | 年収で対応が変わるのを実感 |
| 6 | リクルートエージェント | △ | 年収で態度が露骨に変わる |
| 7 | ギークリー | △ | IT特化だが機械的 |
| 8 | コトラ | △ | 金融志望でなければ合わない |
ここから先は、各サービスの体験談を転職の時系列に沿って書いていく。
1回目の転職:年収410万、ベンチャーから脱出する
当時の僕は、年収410万。職務経歴書すら作っていなかった。
今思えば信じられないが、何も準備せずにエージェントに行った。 これが最大の失敗だった。
リクルートエージェント——「小さな自習室」に通された
東京駅のリクルートビルに行った。広い受付に大勢の転職者がいた。
通された場所は、机が1つだけの小さな個室。自習室みたいだった。 女性のカウンセラーと面談したが、正直、あまり力を入れてもらえている感じはしなかった。
まあ、当然だ。年収410万、職務経歴書も未準備。エージェント側から見れば「本気度が低い人」にしか見えない。
この時は「冷たいな」と思ったが、後に理由が分かる。それは3回目の転職のところで書く。
ギークリー——おしゃれなオフィスの「違和感」
渋谷のおしゃれなオフィスで面談。IT・Webマーケに強いエージェントだ。
30代前半の男性カウンセラーで、雰囲気は良かった。 ただ、面談が終わるとその場ですぐに求人を出してきた。
最初は「仕事が速いな」と思った。 でもすぐに違和感に変わった。
僕のことをほとんど聞いていないのに、もう求人が出てくる。
それって、僕に合う求人を出しているんじゃない。 企業側が「人が欲しい」と言っている求人を、僕に当てはめているだけだ。
その後もどんどん面接を組まれたが、結果は散々だった。 「求職者を見ているのか、企業の需要を見ているのか」——その答えは明らかだった。
キャリアトレック(ビズリーチ系)——結局ここで決まった
ビズリーチの若手向けサービス「キャリアトレック」(現在はビズリーチに統合)経由でスカウトが来て、暗闇フィットネスの会社に入社した。
華やかなエピソードはない。ただ、スカウトが来て、応募して、決まった。 1回目の転職は、そんなものだった。
2回目の転職:年収450万→670万、ベンチャーから大手へ
前の会社で1年半。広告運用のインハウス化、採用企画、店舗が25→40に拡大する過程を経験した。「一通りやり切った」と感じて、次を探した。
今度は大手企業に行きたかった。
doda(1回目)——「この人は、僕の味方だ」
dodaのカウンセラーは30代の男性。フランクで、話しやすかった。
最初の面談で感じたのは、この人は特定の求人を押し付けてこないということ。
「ベンチャーから大手に行きたい」という僕の希望をまず聞いてくれて、それに合う企業を探してくれた。LINEでの連絡も密で、レスポンスが速い。
年収交渉もしてくれた。事前に希望年収を伝えたら、それをベースに企業と交渉してくれて、結果的に年収が450万から670万に大幅アップした。
さらに驚いたのは、dodaの親会社であるパーソルキャリア自体にも応募したときのこと。 僕に合うポジションがなかったのに、わざわざポジションを新設してくれた。 結局そちらは選考に時間がかかって別の道を選んだが、「ここまでしてくれるのか」と思った。
最終的にdoda経由で大手通信会社に入社。 dodaは、僕にとって「転職エージェント」のイメージを変えてくれた存在だ。
3回目の転職活動:年収670万→860万、大手から大手へ
大手通信会社では2億円のプロジェクションマッピングの企画を一人で仕切った。 でもコロナで全てが中止になり、在宅勤務で孤立し、上司から「何もできない」と言われた。
「次の会社でもうまくいかないよ」
退職時にそう言われた。 今思えば、環境の問題だった。でも当時は自分が悪いと思っていた。
この時の転職活動では、5社のエージェントを同時に使った。
リクルートエージェント(2回目)——年収が上がると、全てが変わる
驚いたことがあった。
同じリクルートビルに行ったら、1回目と同じ女性カウンセラーが担当だった。
そして、対応が全く違った。
1回目(年収410万)のときは明らかにそっけなかった人が、今回(年収670万)はすごく丁寧に対応してくれる。
嬉しいというより、怖かった。
年収が変わっただけで、ここまで態度が変わるのか。
キャリアカーバー——「部屋」まで変わった
同じリクルートビルの中でも、リクルートエージェントとキャリアカーバー(ハイクラス版)では通される部屋が違った。
1回目のリクルートエージェントでは、机1つの自習室みたいな個室。 キャリアカーバーでは、奥にある広めの部屋に通された。
嬉しさ半分、露骨さに引いた半分。
リクルートという会社は、年収で明確に人を選別する。 部屋のグレード、カウンセラーの態度、対応のスピード。全部変わる。
ビジネスモデル上は当然だ。成功報酬は「入社した人の年収×30〜35%」。 年収400万の人を転職させても報酬は120万。年収1,000万なら300万。 エージェントが年収の高い人を優先するのは、構造上の必然だ。
でも、1回目でうまくいかなかった担当者を、2回目でまた当ててくるセンスのなさには驚いた。 普通、変えるだろう。
JACリクルートメント——「この人、企業の中の人なのでは?」
JACは他のエージェントと仕組みが違う。 普通のエージェントは「企業担当」と「求職者担当」が別の人だが、JACは同じカウンセラーが両方を担当する(両面型)。
だから、企業の内側の情報が半端ではなかった。
- ▸この部門の雰囲気はこう
- ▸面接官はこういう人柄で、こういう質問をしてくる
- ▸求めている人物像はこう
ここまで教えてくれるエージェントは他になかった。
そして、合否連絡の速さが異常だった。 1次面接の結果が、面接終了の1時間後に来た。 2次面接に至っては、終了10分後に連絡が来た。
これは、カウンセラーが企業の人事と日常的に密なコミュニケーションを取っている証拠だ。
内定が出た後、近くのカフェで担当カウンセラーと会った。 「承諾した方がいいですよ」と少し営業的な面もあったが、ここまで一緒に走ってくれた人と直接会えたのは嬉しかった。
求人数は少なめだったが、1つ1つの求人の質が高い。 履歴書をちゃんと読んだ上で送ってくれている感じがあった。
最終的にJAC経由で大手小売グループに入社。
パソナ——良い求人はあるが、書類で落ちる
担当者の感じは良かった。求人の質も悪くなかった。
ただ、書類で落ちる確率がすごく高かった。
大切にされている感じがしなかった、というのが正直なところだ。
コトラ——金融に行きたい人向け
金融系に強いエージェント。
特徴的だったのは、カウンセラーの年齢層が高いこと。40代後半〜50代前半で、元事業会社の事業部長のような方が多かった。
基本的には銀行のシステム部門に人材を送り込むのがメインで、20〜30代というより40〜50代向けの転職支援という印象。
デジタルマーケ出身の僕には合う求人がなかった。 あと、Webサイトがすごく使いにくかった。
悪い会社ではないが、金融志望でなければ選ぶ理由がない。
4回目の転職:年収860万→1,200万、本当に自分に合う場所へ
大手小売グループでは4年9ヶ月働いた。メタバースプロジェクトを企画してXでトレンド入りさせたり、充実した日々だった。
でも本部長が解任され、会社の方針が変わり、DX本部の予算が9割カットされた。 優秀な人から辞めていった。
doda(2回目)——1年間、毎週電話してくれた人
4回目の転職で、再びdodaを使った。
今回のカウンセラーは2回目の時とは別の人だったが、同じく30代でフランク、そして同じく求職者寄りの考え方の人だった。
ただ、今回は難航した。
自分に合う求人がなかなか見つからず、転職活動が長期化した。 普通のエージェントなら、途中で連絡が途切れてもおかしくない。
でもdodaのカウンセラーは、約1年間、毎週10分ほど電話をくれた。
「今週はこういう求人が出ました」「秋田さんに合いそうなのはこれですかね」
求人がない週でも、電話が来た。
僕はこの人のことを忘れない。 最終的にこの人の紹介で現職の大手保険会社に入社し、年収は1,200万になった。
ビズリーチ——転職だけじゃない、副業も見つかる
ビズリーチでは転職ではなく、副業が見つかった。
地方自治体のデジタル推進支援の案件にスカウトで出会い、今も続けている。 週1回、年間約100万円の副業だ。縁もゆかりもない土地だったが、ビズリーチがなければこの出会いはなかった。
全部使って分かった「たった1つの教訓」
8社のエージェントを使って、最後に辿り着いた結論はシンプルだ。
転職エージェントに行く前に、職務経歴書をピカピカにしろ。
1回目の転職で、僕は職務経歴書すら作らずにエージェントに行った。 結果、どのエージェントからも本気で向き合ってもらえなかった。
これは当然のことだ。
エージェントのビジネスモデルを考えればすぐに分かる。 成功報酬は、転職者の年収の30〜35%。 つまり年収400万の人を決めても120万、年収1,000万の人なら300万以上。
年収が低い人ほど、エージェントにとって優先度は下がる。
では、年収が低いうちはどうすればいいのか。
答えは「準備」だ。
職務経歴書をしっかり作り込んで面談に持っていく。 それだけで「この人は本気だ。早く決まりそうだ」と思ってもらえる。
報酬は低くても、早く決まる人は支援したい——エージェントはそう考える。
僕が勧めるのは、こういう流れだ。
1. 転職エージェントに登録する 2. 面談までの間に、職務経歴書を自分なりに仕上げる(←ここが最重要) 3. 面談で「何か指摘があればお願いします」と見せる 4. 複数のエージェントに見せて、少しずつブラッシュアップする
「どのエージェントに行くか」を悩む人は多い。 でも本当に大事なのは、「何を持って行くか」だ。
最後に
転職を4回して気づいたことがある。
年収が上がった時、自分のスキルは大して変わっていなかった。 変わったのは、会社だけだった。
でも、場所を変えるには「準備」がいる。 その準備の中で一番大事なのが、職務経歴書だ。
スキルを磨く前に、場所を疑え。 場所を変える前に、経歴書を磨け。
この2つを知っていれば、転職は怖くない。
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