
はじめに
僕は転職を5回している。
婚活ベンチャー → フィットネスベンチャー → 大手通信会社 → 大手小売グループ → 大手保険会社。
年収は400万から1200万になった。3倍だ。
ただ、ここに至るまでに書類で落ちた数は数えきれない。面接で「転職回数が多いですね」と言われた回数も、両手では足りない。
転職回数が多いと不利なのか。正直に答える。不利になる時期はあった。でも、ずっと不利だったわけじゃない。
この記事では、面接で実際に聞かれた質問と、僕がどう答えたかを全部書く。
僕の転職歴と在籍期間
まず事実を並べる。
| 回数 | 会社 | 在籍期間 | 年収 |
|---|---|---|---|
| 1社目 | 婚活ベンチャー | 3年半 | 400万 |
| 2社目 | フィットネスベンチャー | 1年半 | 450万 |
| 3社目 | 大手通信会社 | 1年半 | 670万 |
| 4社目 | 大手小売グループ | 4年9ヶ月 | 860万 |
| 5社目 | 大手保険会社(現職) | — | 1200万 |
見てほしいのは、2社目と3社目だ。1年半が2回続いている。 この時期が一番きつかった。
面接で必ず聞かれた5つの質問
転職回数が3回を超えたあたりから、面接で聞かれる質問のパターンが決まってきた。以下の5つは、ほぼ毎回聞かれた。
1. 「転職回数が多いですが、理由を教えてください」 2. 「次もすぐ辞めるのでは?」 3. 「前職の退職理由を教えてください」 4. 「一番長く続いた会社はどこですか?なぜ長く続いたのですか?」 5. 「当社では何年くらい働くつもりですか?」
一つずつ、僕が実際にどう答えたかを書く。
質問1:「転職回数が多いですが、理由を教えてください」
これが一番多い質問だ。そして一番答えるのが難しい。
正直に言うと、3回目の転職(大手通信会社→大手小売グループ)の時、僕はこの質問にまともに答えられなかった。
大手通信会社を辞めた本当の理由は「合わなかった」だ。でもそれを素直に言える自信がなくて、面接では「地元の奈良に帰ることにしまして」と嘘をついた。恥ずかしい。東京の会社の面接を受けているのに、奈良に帰るって何だよ、と今なら思う。
転職理由を正直に言えるようになったのは、大手小売グループで実績を作ってからだ。 4年9ヶ月在籍して、数億円規模のプロジェクトを一人で仕切った。その実績があるから、「過去の短期離職は、自分に合う環境を探していた時期でした」と堂々と言えるようになった。
5回目の転職(大手保険会社)では、こう答えた。
「キャリアの前半は、自分に合う環境を模索していました。ベンチャー、大企業、事業会社と経験する中で、大手小売グループでDX推進に携わったことが転機になりました。そこで4年9ヶ月、事業を作る側の面白さを知り、今度はその経験を別の業界で活かしたいと考えています」
ポイントは、転職回数を「試行錯誤」として語り、今は軸が定まっていることを伝えること。 ただしこれは、実績が伴って初めて説得力が出る。実績がない段階で同じことを言っても、薄っぺらく聞こえるだろう。
質問2:「次もすぐ辞めるのでは?」
これはストレートに聞いてくる面接官もいれば、遠回しに探ってくる人もいた。
僕の答えはシンプルだった。
「大手小売グループには4年9ヶ月いました。環境と仕事内容が合えば、長く働きます。短期で辞めた時期があるのは事実ですが、それは自分に合う仕事を見つける前の話です」
在籍期間が長い会社が1社でもあると、この質問への回答がぐっと楽になる。 「ほら、合えば長く続くんです」と言える。逆に、全部が1〜2年だったら、この質問はかなり厳しい。
質問3:「前職の退職理由を教えてください」
退職理由は、嘘をつくと後でつらくなる。僕は「奈良に帰る」と嘘をついた経験があるから、余計にそう思う。
5回目の転職では、こう答えた。
「大手小売グループでDXの仕組みを一通り作り上げました。次は、デジタル化がまだ進んでいない業界で、ゼロからDXを推進したいと考えました」
前の会社の悪口を言わない。「やりきった」→「次のチャレンジ」という流れで語る。 これは転職回数に関係なく、鉄則だと思う。
質問4:「一番長く続いた会社はどこですか?」
これは意外と聞かれる。面接官は、「この人が定着する条件は何か」を探っている。
「大手小売グループで4年9ヶ月です。裁量が大きく、自分で企画して自分で実行できる環境でした。プロジェクト単位で成果が見えることがモチベーションでした」
この回答は、実は面接官に対するメッセージでもある。「御社にも同じ環境がありますか?」と暗に聞いている。 もし面接官が「うちは裁量ないよ」と思ったら、お互いのためにそこで不採用になった方がいい。
質問5:「当社では何年くらい働くつもりですか?」
正解がない質問だ。「一生います」と言っても嘘くさい。「3年で辞めます」と言ったら落ちる。
僕はこう答えた。
「年数で区切るより、御社で達成したいことがあります。保険業界のデジタルマーケティングの仕組みを作り上げたい。それには少なくとも3〜5年はかかると思っています」
「何年」ではなく「何を成し遂げたいか」で答える。 これなら具体的だし、やる気も伝わる。
転職回数が「不利になった時」と「ならなかった時」
はっきり分かれた。
不利になった時
- ▸1年半×2回が続いた、3回目の転職活動
- ▸書類の段階で落ちまくった
- ▸面接に進んでも「なぜこんなに短いのか」を延々と聞かれた
- ▸本来やりたい仕事の話まで辿り着けない面接が多かった
不利にならなかった時
- ▸5回目の転職活動(大手小売グループで4年9ヶ月の実績を積んだ後)
- ▸書類はほぼ通った
- ▸面接で転職回数を聞かれはしたが、深掘りされなかった
- ▸「むしろ色々な環境を知っているのは強み」と言われた
- ▸大手保険会社の面接では、転職回数はほぼ話題にならなかった
違いは明確だ。実績があるかどうか。
転職回数が多くても、直近の会社で目に見える実績を出していれば、過去の短期離職はほとんど問題にされない。逆に、実績がないまま回数だけ増えると、どんどん不利になる。
転職回数を気にする会社と気にしない会社
5回の転職活動で、色々な会社を受けた。傾向はある。
| 気にする傾向 | 気にしない傾向 |
|---|---|
| 日系大手の伝統的な企業 | 外資系企業 |
| 人事部門が強い会社 | 現場の部門長が採用権を持つ会社 |
| 「長期育成」を重視する会社 | 「即戦力」を求める会社 |
| 新卒採用がメインの会社 | 中途採用が多い会社 |
僕の肌感覚だが、「なぜ転職が多いのか」を面接の最初に聞く会社は、回数を気にしている。 逆に、「で、何ができるの?」から入る会社は、回数をあまり気にしていない。
書類の段階で落ちるなら、その会社はそもそも転職回数でフィルタリングしている可能性が高い。そういう会社は、面接に進めたとしてもカルチャーが合わない可能性がある。書類落ちは、むしろ時間の節約だと思うようにしていた。(もちろん、落ちた瞬間はへこむ。)
転職回数が多い人へ
ここまで読んで、「5回も転職したのか」と思った人もいるだろう。「自分も回数が多くて不安だ」と思っている人もいるかもしれない。
僕が5回の転職で学んだことは、たった一つだ。
転職回数は、実績で上書きできる。
1年半で2社辞めた僕が、その後大手小売グループで4年9ヶ月踏ん張って実績を作ったら、5回目の転職では回数を気にされなくなった。年収は400万から1200万になった。
もちろん、回数が少ないに越したことはない。「奈良に帰る」なんて嘘をついた自分を、今でも情けなく思う。でもその失敗も含めて、今の僕がある。
転職回数が多いことに悩んでいるなら、まずは今いる場所で実績を作ることだ。それが一番の近道だと、僕は思っている。
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