🏢ビジネスマンの居場所戦略

大手入社1ヶ月目の赤っ恥リスト——会議室、メール、稟議

2026-04-02

PR・広告を含みます
転職大企業カルチャーショック体験談

はじめに

ベンチャー2社を経験してから、大手通信会社に転職した。

自分はそこそこ仕事ができると思っていた。ベンチャーでは月2,000万円の広告予算を回し、「プロが来ると違うね」と言われた人間だ。大企業でもやれるだろう、と。

1ヶ月で、その自信は粉々になった。

仕事の能力の問題じゃない。大企業には、ベンチャーにはない「作法」がある。誰も教えてくれないのに、知らないと白い目で見られる。そんなルールが山ほどあった。

これから大手企業に転職する人のために、僕が実際にやらかしたことを全部書いておく。予防接種だと思って読んでほしい。

赤っ恥1:会議室の階数を間違えた

ベンチャーでは、全員が同じフロアにいる。会議室を取れば、みんなそこに来る。当たり前だ。

大手通信会社は違った。僕は37階、相手は45階にいた。

僕が会議を招集して、自分のフロアの会議室を予約した。何も考えずに。

すると、45階の偉い人たちが37階まで降りてくる羽目になった。本来は、目上の人がいるフロアの会議室を取るか、中間階の会議室を取るのが暗黙のルールだった。

「そんなこともわからないのか」と思われた。 言葉にはされなかったが、空気でわかった。

ベンチャーには「階数」という概念がそもそもない。全員ワンフロアだから。でも大企業では、物理的な上下が組織の上下と重なっている。

赤っ恥2:Windows95時代のシステムと格闘した

大手通信会社には、社内で長年使われている独自のシステムがあった。見た目がWindows95時代に作られたかのような、古めかしいUI。

経費精算、勤怠管理、プロジェクト管理——全部このシステム上で動く。ボタンの位置も用語も独特で、直感的には何一つわからない。

新卒で入った人は、入社研修でこのシステムの使い方を教わる。でも中途入社の僕には、誰も教えてくれなかった。

「使い方がわかりません」と聞くのも恥ずかしかった。周りは当たり前に使っている。新卒1年目の若手ですら、スイスイ操作している。30歳の中途入社が「このボタンどこですか?」と聞くのは、想像以上にきつい。

結局、夜に一人で試行錯誤して覚えた。後になって気づいたのは、中途入社の人は全員同じ苦労をしているということだった。でもそれを共有する場がなかった。

赤っ恥3:メールの宛先の順番

ベンチャーでは、メールのTo欄に名前を並べる順番なんて気にしたことがなかった。全員フラットだから。

大手では違う。Toに入れる順番は、役職順だ。部長→課長→主任→担当、と上から並べる。Ccにも順番がある。

僕は最初、思いつくままに名前を入れていた。ある日、先輩にそっと注意された。「メールの宛先、順番気をつけた方がいいですよ」

たかがメールの宛先。されどメールの宛先。 大企業では、こういう「些細なこと」の積み重ねが信頼を形作る。

赤っ恥4:「稟議」という概念を知らなかった

ベンチャーでは、社長に口頭で「これやっていいですか?」と聞けば、その場で「いいよ」と返ってくる。意思決定のスピードが命だった。

大企業では、何をするにも「稟議」が必要だった。

稟議とは、提案書を作って、係長→課長→担当部長→部長→本部長と、ハンコをもらいながら承認を上げていくプロセスだ。

最初に「来週これをやりたいんですが」と課長に伝えたら、「稟議出して」と言われた。「稟議って何ですか」とは聞けなかった。こっそりググった。

驚いたのは、稟議を通すのに2週間かかったことだ。 ベンチャーなら5分で決まることが、大企業では2週間。最初は「こんなので仕事が回るのか?」と思った。

でも今ならわかる。稟議は「無駄な儀式」ではなく、「組織として意思決定した記録を残す仕組み」だ。何千人もいる組織では、「口頭でOK」は通用しない。

赤っ恥5:「根回し」をせずに会議で提案した

ベンチャーでは、会議の場でアイデアを出し、その場で議論して決める。それが普通だった。

大企業で同じことをしたら、会議室が凍った。

僕はある会議で、準備してきた提案を堂々とプレゼンした。内容には自信があった。でも周りの反応は冷たかった。

後で先輩に言われた。「会議で提案する前に、キーパーソンには事前に話を通しておくんだよ」

これが「根回し」だ。会議は「決める場」ではなく、「事前に決まったことを確認する場」だった。

ベンチャー出身の僕には衝撃的だった。でも冷静に考えれば合理的でもある。大人数の会議でいきなり新しい提案をされたら、その場で判断できる人はいない。事前に情報を共有し、各自が考える時間があった方が、質の高い意思決定ができる。

「根回し」は政治的な行為ではなく、大組織における合理的なコミュニケーション手法だった。

これらのミスから学んだこと

学び1:大企業の「作法」は、誰も教えてくれない

新卒には研修がある。でも中途入社には、ない。「即戦力」として期待されているから、基本的なことは知っている前提で扱われる。

でも、会議室の取り方やメールの宛先の順番は、「仕事の能力」とは何の関係もない。知っているか知らないかだけの話だ。知らなかったからといって、自分を責める必要はない。

学び2:「作法」は覚えれば終わる

会議室の階数ルール、メールの順番、稟議の書き方、根回しのやり方——これらは全部、覚えてしまえばそれで終わりだ。

ベンチャーで培った「ゼロから企画する力」「自分で手を動かす力」の方が、習得にはるかに時間がかかる。大企業の作法は、3ヶ月もすれば自然に身につく。

つまり、大企業の作法がわからないことは、転職しない理由にはならない。

学び3:恥をかいた方が早く馴染む

僕は最初、ミスを隠そうとしていた。でも途中から開き直って、わからないことは素直に聞くようにした。

すると意外なことに、「ベンチャーから来たんだから知らなくて当然だよ」と言ってくれる人が多かった。大企業にも優しい人はたくさんいる。プライドを捨てて聞いた方が、結果的に早く馴染める。

これから大手に転職する人へ

この記事を読んで「大変そうだな」と思った人もいるかもしれない。

でも安心してほしい。僕がここに書いた恥の全てを経験した上で、その会社で数億円のプロジェクトを一人で仕切るまでになった。

会議室の階数を間違えても、メールの順番を知らなくても、稟議の存在を知らなくても、仕事はできるようになる。「作法」は覚えるだけ。あなたのベンチャーでの経験の方が、よほど替えが効かない。

大企業への転職を迷っている人がいたら、僕は言いたい。

こんな恥をかいた僕でもやっていけた。あなたなら余裕だ。

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